バイトに行ったら、生徒が誰もいなかった。
第5週だから休講日だそうだ。
・・・聞いてねえ。
んではでは
「見えている色がそのままその植物の色とは限らないんだよ」
梨木香歩さんの小説『りかさん』から。
染物をしているときに、孫のようこに対して、おばあちゃんのことば。
植物で染めると、驚くほどイメージとは違う色になることがあるそうだ。
"植物"を"人"に、"色"を"性格"に置き換えながら読んでみて。
あらびっくり、何の違和感もないことばに生まれ変わるねえ。
植物と人って、とても似とるんやね。
わしは、自分にはたくさん友達がおると思っとる。
けど、その人たちの表層以外の部分を知っているかと聞かれると、自信がない。
人が何を考えとるかとか、ほんとはどういう人かっていうのを知ることは難しいやろう。もしかしたら、できんことなのかも知れん。
けど、知りたい。
もうひとつ
「植物のときは、焙煎をかけてようやく色を出すだろう。頼んで素性を話してもらうように。そうすると、どうしても、アクが出るんだ。自分を出そうとするとアクが出る、それは仕方がないんだよ。だから植物染料はどんな色でも少し、悲しげだ。少し、灰色が入っているんだ。」
つながっとるよね、上のことばと。