久しぶりに読み返した狗飼恭子さんの小説 「忘れないからね」
舞台がネパールなんよ、これ ポカラとか山岳地帯のほうやけど
別れたあと、消息不明になった彼が残した1冊のノート
そのノートを手にした主人公が、ネパールに彼を探しに行く話
一人で行くはずだったその旅に、なぜか従者が一人
主人公のことが大好きな男の子も一緒に行きます
この男の子がいい 読めばわかる
普通に考えたら「おまえ、なにしてんの!?」ってカンジやけど
ヒンドゥー教の話も出てくる しかも、意外と勉強していらっしゃる
カースト制度について、そこにいる人々について、神について
そこで出てきたのが、今日のひとことば
「『違う神様を信じれば、君はその階級から解放されるんだ。そうしたいとは思わないの?』
『そんなふうに簡単に、神様は変わらないよ。私の信じる神様は、最初から最後まで、同じだ』
『でも君は不幸だ』
『私は不幸じゃない。私は幸福だ。あなたの幸福と私の幸福は違うものだ』」
そのとおり 宗教間の違いはおろか、わしの幸福と今これを読んでいるあなたの幸福も違うもの
個々人でそれぞれに定義を持っていて、なかなか同じ定義を持つ人には会えない
そんななか、主人公と同行した男の子の交わしたひとことば
「『幸福って何だろう。そんなにも、人によって幸福の定義って違うものなのかな』
『俺にはよく分からない。でも、その定義がとても近い二人が恋に落ちるんだなって思うよ』」
「あまーい!!」と突っ込みたくなる、が、説得力がある気がしてできん・・・
わしにはよくわからんがな(自暴自棄)